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レノファ山口FC

住田 優

PSDを通じて新たな発見があるだろうとポジティブに捉えている。

レノファ山口U-18の住田優コーチは、クラブのPSD担当も兼務し、ピッチ内外で選手をまとめ上げている。住田コーチにコロナ禍のチーム活動、PSDの活用方法を聞いた。(※この取材は2020年12月に実施。住田氏は現在、U-13コーチ兼Head of Educationとして活動中)

これまでの簡単な経歴を教えてください。

住田 約15年前にレオーネ山口というクラブで指導者のキャリアをスタートさせました。当時は「何でも屋」といっていいほど、多岐に渡る仕事に打ち込んでいました。クラブの経営基盤や収益構造をつくりながら、午前は営業に回って夕方から指導し、夜は企画書をつくる、といった具合です。

レオーネ山口は2015年からレノファ山口の下部組織として活動することになります。
住田 20代のとき、JAPANサッカーカレッジという学校でクラブ運営などについて学んでいたとき、私は皆さんの前で「レオーネ山口をJリーグ入りさせる。最短で12年後にはJ2に導きたい」という話をしました。そのときはみんなに笑われましたが、いろいろな活動をしている過程でレノファ山口というクラブが誕生し、レオーネはレノファ山口と一緒になった。志を持って動けばゴールに近づくと、身をもって感じました。

現在の仕事内容を教えてください。
住田 レノファ山口U-18年代のコーチとして指導現場に専念しています。選手への指導、保護者とのやり取り、備品や遠征を含め予算を組むことはもちろん、監督のサポートとしてチームの事務作業全般をカバーしています。

アカデミーの哲学を教えてください。
住田 山口は幕末の明治維新のときの中心地となったこともある、深い歴史的背景を持つ地域です。時代を動かしてきた人がいる文化を受け継ぎ、常に前に進むということを念頭に置いて活動しています。
 ピッチでは攻撃でも守備でも自分たちからアクションを起こし、観客のハートをつかむ。そんなサッカーを目指してプレーモデルをつくっています。

アカデミーの概要、所属選手の主な出身地について教えてください。
住田 われわれはU-18A、U-18B、U-15、U-15B、U-13、U-12、U-12レオーネ、U-10のカテゴリーから成り立っています。ジュニアユースまではセレクションを経て、ユースではセレクションとスカウティングの両方で選手が集まってきます。U-15年代は基本的には、1時間以内に練習場に通える選手を対象にしています。広島から来てくれた選手もいますが、遠すぎると毎日の練習が負担になる。成長期ですし、サッカー以外のことも学んでほしいというのがクラブの方針です。
 ユース年代に目を移すと、これまでは県内、中学地域の選手がほとんどでしたが、東京と四国から来た選手も一人ずついます。今後はスカウティングの輪を広げ、山口でサッカーがしたいという選手を探せればと思っています。

U-18は全寮制ですね。
住田 自宅から寮まで自転車で5分の選手もいますが、その選手も寮で生活しています。その背景に、選手に規則正しい生活を送ってほしいという思いがあります。最も重要なのが栄養面で、現在、U-18の選手一人につき、およそ月8万円を食費に割いています。また、高校生ですと生活が不規則になることもありますが、全寮制ならば就寝時間も起床時間も決まっているので、規則正しい生活を送ることができます。

2020年は新型コロナ感染拡大による影響もあったかと思います。
住田 緊急事態宣言が発令され、チームとしての活動が限られた時期は、保護者の皆さまと連絡を取り、家庭に戻ってほしいというリクエストを受けた選手は帰省してもらいました。寮に残った選手は20人程度で、16人の選手が家庭に戻りました。
 家庭に戻った選手たちには、持久力を維持するためのトレーニングメニューなどをわたしました。寮に残った選手に関しては、寮の食堂で体幹トレーニングをこなした後、毎日、7キロから10キロくらいのロードワークに出て、基礎体力を維持するためのトレーニングを続けていました。また、新しい取り組みとして、ディベートを経験させました。現代っ子は論理的に話すのが苦手と言われています。そこで、言語力と表現力を養うため、数週間に渡って特定のテーマで議論を行いました。

チーム活動が再開したとき、選手の様子はいかがでしたか。
住田 家庭に帰った選手とは、日々、PSDを使ってその日に何をしたか報告を受けていました。でも、報告をしてもしなくても、変わらずトレーニングを維持する選手がいる反面、甘えが出てしまう選手もいます。それは、活動を再開させたときの選手たちの体型を見てもはっきり分かれていました。

PSDを使った感想を教えてください。
住田 スタッフ間で情報共有するとき、または選手の情報を見るときに活用していますし、今後、PSDをさらに使いこなせば、新たな発見や指導に役立つものが見えてくるだろうとポジティブに捉えています。

導入の際に工夫した点は?
住田 U-18の試合予定や活動予定を入力し、「PSDに入れたので、見ておいてください」という具合にPSDにログインすればいろいろな情報を得られる状態をつくりました。また、スタッフミーティングのときにはPSDの操作説明をするなど、さまざまな角度から導入に向けて動きました。PSDを導入するタイミングで選手用アカウントもつくり、現在は練習の振り返りを選手たちからPSD経由で送ってもらっています。

最後に、PSDへのご要望をお願いします。
住田 現代サッカーと映像ツールは切っても切り離せませんので、ビデオライブラリーをもっと使えればと思います。PSDではスタッフが選手のタグ付けを行うことができますが、選手のアプリからもタグ付けを可能にするなど、選手から何かを追加できるような機能が備われば、より充実すると感じています。
 また、他クラブの選手の映像も見るためのプラットフォームがあってもいいのかな、と。というのも、日本では地域によってレベルの差が顕著に表れますし、それをスタッフが目の当たりにする機会が増えれば、そのスタッフの意識も高くなると思うからです。